中小企業診断士試験~一発独学合格体験記~

中小企業診断士試験を1年で効率的かつ効果的に独学合格するポイントを体験をもとに公開します

中小企業診断士二次試験「私の問題用紙攻略法~基礎編~」

こんにちは。
一次試験合格された方々、おめでとうございます!!!
正式な合格発表も終わり、みなさまいよいよ二次試験対策のギアを上げている頃かと思います。
(私は自己採点後も燃え尽きが収まらず、正式な一次合格発表までぼーっと英気を養っておりました)

二次試験の対策や攻略法はいろいろな情報があり、なかなか自分に合った「自分のやり方」を見つけられず、試験勉強を波に乗せるのに苦慮しました。色々なブログなどを参考にしつつ、過去問チャレンジをしていく中で決めていった、私なりの「自分のやり方」をご紹介します。

私が選択した3つの攻略ポイント

おそらくこれから初めて二次試験を受験されようとしている方も悩まれているのではないかと思います。私もどのように問題用紙を攻略すべきかいろいろと検索して情報収集を行いました。様々な攻略法がある中、私は以下の方法を選択・実行しました。

  • 問題用紙は破らない
  • 書き込みは①黄色い蛍光ペン②赤ペン(どちらもフリクション)の2本のみ
  • 設問後の白紙スペースに回答用メモをまとめる

問題用紙は破らない

多くの人がまず最初に問題用紙を半分に割くという話をしています。確かに、「設問を見ながら事例を読める」とか「白紙部分を並べておくことでメモが取りやすい」などあるのですが、私はこの作戦を採用しませんでした。
なぜか。
「失敗したときのリスクが大きすぎる」
これに尽きます。
ほとんどないとは思うのですが、もし、破るのに失敗したら…ましてや事例の文章部分まで破いてしまうことになったら、、それこそ気になって集中できなくなります。個人的に、上記の利点がこのリスクを凌駕するほどのものではないと判断しました。かつ、事例によっては時間が見直し時間が十分に取れなくなるという自分の傾向もあったので、たとえ数秒でも貴重な時間をこのリスクのある行動に割くのがもったいないというのもありました。肌感覚ですが、同室で受験されていた人たちの大半はこの「破る」行為をしていなかったように思います。
ただ、いずれにせよ試験開始と同時に「ビリビリ!」という紙を破る音が鳴り響くことは想定しておきましょう(すでに一次試験でご経験済みかと思いますが…)

書き込みは①黄色い蛍光ペン②赤ペン(どちらもフリクション)の2本のみ

これは試験対策序盤でいろいろ試しました。この選択で重要なポイントは、
・問題用紙の裏ににじまないか ⇒ にじむと裏の分が読みづらい…
・見やすいか ⇒ 目立つ色すぎるとチラチラして後から読みづらくなる
・効率的か ⇒ 多種多色にするとマーキングだけで微妙に時間を使ってしまう
このすべてを満たしてくれたのがこの2本でした。
中小企業診断士二次試験用ペン
フリクションの黄色蛍光ペンは裏うつりしませんし、必要であれば消せます(消すことはほぼないですが)。
赤ペンもフリクションでこれは消して修正することができるのが大きな利点。問題用紙に書き込むことを考えると0.38の極細がお勧めです。
※どのように使い分けるかは「~実践編~」で書こうと思います
あと、「強み」や「弱み」など、意味内容によって色を使い分けるというやり方をされている方も見かけますが、個人的にはお勧めできません。
とにかく持ち変える作業が手間で時間ロスにもなりますし、微妙にどの色で塗るべきか分からないけど重要そう!というキーワードが出てきたときに迷う時間がもったいないですし、あと何よりも頻繁な持ち変えでペンを落とすリスクが少なからずあるので、リスクとロスの最小化という観点で多色利用は採用しませんでした。

設問後の白紙スペースに回答用メモをまとめる

これはほぼ全員がやっていることかと思いますが、いきなり解答用紙に答えを書き始めることはほぼないかと思います。
まずは設問ごとにメモを作って、丁寧な方は下書きもしたうえで回答用紙に記載しているかなと思います。
私は下書きまではしませんでしたが、設問ごとのメモは整理し、文章をある程度頭の中で構成してから回答用紙に書くようにしていました。
また、再現答案の作成においてもこのメモがないとかなり難しくなると思います。そもそも再現答案を作るべきなのかという話もありますが、私は必須だと思っています。
もし不合格だった場合に復習できないですし、口述試験で必要になる可能性もありますので。

実際の問題用紙(R2事例Ⅰ)

中小企業診断士二次試験事例

このような感じで、とてもシンプルに、でも設問読み段階でどのキーワードを重要視し、回答作成段階でどのキーワードを拾ったかがわかるような形で取り組みました。
誰かの参考になると嬉しいです。

二次試験はつかみどころのない難関試験ですが、実践的で勉強するのも楽しい内容なので、頑張ってください!!!

中小企業診断士第1次試験の追い込みで大切な3つのこと

ブログを書こう書こうと思って早数か月…一次試験まであと2か月となってしまいました。
去年のこの追い込み時期は何を意識していたかなと思い出しながら、主に独学の方に向けて大切だと思うポイントをご紹介します。

ポイントその① 新しい参考書に手を出さない

試験日まで残り期間が短くなってくると、苦手な問題やなかなか覚えられない科目がこれまで以上に気になり、不安になってくると思います。
しかしながら、その不安に負けて新たに知識を補おうと、新たな参考書や問題集に手を出すことはやめましょう。
一次試験は60点取れれば合格、さらに得意科目があれば苦手科目は40点以上取れれば合格する試験です。
参考書の数を増やしても合格する確率は上がりません。
出版社Aの問題集で正答率50%であれば、出版社Bの問題集でも正答率は50%になるはずです。
基本的にどの出版社のものであれ、1セットさえあれば合格できます(私がそうです)。
今持っている参考書の理解度と問題集の正答率が100%になるまで繰り返し復習したほうが合格の確率は高まります。
もし複数持っているなら、今後は1冊に絞ってしまいましょう。

ポイントその② 勉強のペースを保つ

上記の不安も相まって、あれもこれももっと勉強しておかねばという焦りが膨らんでくることもあると思います。
しかしながら、焦って勉強したことはたいてい定着しません。
1日〇時間勉強すると決めていて、これまでそのペースを保てているのであれば、これからもそれを維持しましょう。
合格の大敵は「モチベーションダウン」と「体調不良」です。
不安や焦りを払しょくするために無理に勉強時間を増やすと、この大敵が一気に襲ってきます。
一度襲われてしまうと、一気に勉強ができなくなり、さらに不安と焦りを増幅させ、回復までに時間と気力・体力を要します。
なので、これまで長い間勉強して身についた自分のペースがあると思うので、とにかくそれを維持しましょう。
そうすれば自ずと試験日までの勉強時間も算出できるので、その総量に合わせて計画を見直せばよいだけです。
勉強時間を増やすという選択肢はお勧めしません。

ポイントその③ 6割取れれば良いと割り切る

個人的に、合格に向けて最も大切だと思っているのはこれです。
一次試験の合格基準は、

第1次試験の合格基準は、総点数の60%以上であって、かつ1科目でも満点の40%未満のないことを基準とし、試験委員会が相当と認めた得点比率とします。
※令和3年度中小企業診断士第1次試験案内より

です。年度によって多少の得点調整などはあるかもしれませんが、基本的に6割取れれば合格です。
つまり、4割間違っても合格できます。
一次試験の問題数は例年以下のようになっています。

  • 約25問:「経済学・経済政策」「財務・会計」「経営法務」「経営情報システム
  • 40~45問:「企業経営理論」「運営管理」「中小企業経営・中小企業政策」

つまり、25問であれば10問、40問であれば16問も間違っても合格する可能性があります。
「間違った」ことに過剰に反応し、不安や焦りを感じれば感じるほど、合格は遠のいていきます
このルールを楽観的にとらえ、問題集や模試に取り組んだ結果に一喜一憂せず、とにかく間違った問題や覚えていないところを着実につぶしていけば全く問題ありません。

受験を経ての反省:新しい情報を読み込む

とはいえ自慢できる点数で合格したわけではなく、これを疎かにしたせいで危うく・・・ということもありました。
それは、「最新の情報をキャッチアップしておく」です。
参考書1セット主義を貫きすぎたせいで、「経営法務」と「中小企業経営・中小企業政策」が危険水準でした。。
その反省も踏まえ、追い込み期間中は以下をしっかり読み込むことをお勧めします。

・白書・統計情報
当たり前ですが最新の情報が試験に出やすいです。1年前などに出版された参考書には反映しようがありませんね・・・
予備校にも頼らない独学であれば、自分でキャッチアップするしかありません。
以下のサイトから、しっかりと最新情報に目を通しましょう。
中小企業庁:白書・統計情報

・改正民法
これも日ごろニュースを見ていたおかげで何とかクリアできた問題もありましたが、ちゃんと勉強しておかなければ答えられない問題が出てきます。
いろいろ情報はありますが、以下のサイトがきれいにまとまっているかなと思ったのでご紹介です。
keiyaku-watch.jp


まとめ

なんだかんだとつらつら書きましたが、兎にも角にも「間違ったところを確実に押さえていく」ことが合格確率を上げる最も大事なことだと思います。
割り切ってペースを保ちながら、毎日の勉強を続けていきましょう!
(私も合格後も日々勉強中です)

中小企業診断士試験の一発独学合格基本データ

こんにちは、せたけんです。
このブログを目にする方はおそらく、中小企業診断士試験の合格という高い目標に向けて、日々努力されている方が多いと思います。
少しでもお力になればと思い、合格体験記をこのブログで公開していきたいと思います。
まずは基本情報をこちらの記事でまとめます。

私のプロフィール(受験時)

受験の目的

主な目的は以下の2点です。

  1. 形に残る資格を取る
  2. 自力で稼げるようにする

会社での研修(社内MBA的なかなりハードなもの)を修了したにもかかわらず、客観的・対外的に証明できるものが何もなく、せっかくの学びを形に残したいという思いが強くなり、その証明に最も近い資格として中小企業診断士を選択・受験しました。また、会社の業績は現状は問題ないものの、時代の流れとともにどうなるかわからなかったり、老後も働かなければならなくなった際に対応できるように、会社の看板がなくても稼げる自力をつけたいという思いがありました。

勉強時間

2020年の1月から対策を開始し、概算ですが合格までの勉強時間は計275時間程度でした。
当時は一発合格するとは思っていなかったので、2年計画で初年度(2020年)の1月~7月までは1次試験対策のみを実施。
1次試験後は燃え尽きて予備校の解答速報が出そろうまでは特に何もせず、全科目自己採点完了して合格見込みがたってから2次試験の対策に取り掛かりました。
2次試験後はおそらく皆さん誰もが同じ感覚になると思いますが、絶対落ちたと思っていたので口述試験がそもそもどういうものかすら調べていませんでした。。
2次試験の合格発表後、1週間で口述試験対策を調べ、2次試験の振り返りを行いました。
各試験の対策時間の内訳は以下の通りです。

  • 1次試験対策:約150時間
  • 2次試験対策:約120時間
  • 口述試験対策:約5時間

ただし、上述の通り会社で受けた研修もあるため、それも含めると実質500時間程度は試験にまつわる学習を行っていたことになるかと思います。
※本業でも関連する領域はあるものの、体系知識習得という意味とは異なるため計算には含めていません。

活用教材

本業や家事・育児のため、特定時間帯を仕事以外で押さえること自体が家族(主に妻)の負担を増やすことに直結するため、自分のペースを優先できる独学を選択し、予備校や通信講座などは活用せず市販の参考書のみを使用しました。
1次試験

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2次試験

  • TAC出版「中小企業診断士 2019年度版 第2次試験過去問題集」
  • 同友館「ふぞろいな合格答案エピソード13」
  • 同友館「ふぞろいな答案分析4」
  • 同友館「ふぞろいな答案分析5」
  • 同友館「30日完成事例Ⅳ 合格点突破計算問題集」
  • 同友館「事例Ⅳの全知識&全ノウハウ」

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合格までにかかった費用

受験料と参考書代合わせて61,000円でした。
内訳は以下の通りです。

  • 1次試験受験料:13,000円
  • 2次試験受験料:17,200円
  • 参考書代:30,800円

これに加えて試験会場への移動費などが発生しています。
※合格後の現在、実務補習を5日間受けたため受講手数料50,000円+実務補習関連経費(会議室代や印刷費など)5,000円を追加で支出しました。

受験・合格後の感想

中小企業診断士試験に関する内容は、どのような領域・職種の方でも必要になる知識がちりばめられているので、改めて体系的に勉強できるこの資格はとてもためになると思いました。
また、合格を機に社内外からも相談をいただいたりしているため、やはり市場価値の高い資格であることを実感しました。
声をかけていただける相手も、経営者や上位役職者など、普段会話している方とは異なった層の方とお話しさせていただく機会も増えたと思います。
今のところまだ独立などは考えておらず、副業としてお声のかかった企業・個人事業主の方々の支援をさせていただくマイペーススタイルで行く予定のため、ドラスティックに何かが変わるというところまではありませんが、少なくとも周囲からの見られ方は変わった気がします(自分に自信がついただけなのかもしれませんが…)

まとめ

中小企業診断士試験に関連する情報は様々ありますが、受験する方が務めている仕事の内容や大学などで何を専攻していたかなど、人それぞれの経験によって大きく条件は変わってくると思うので、あまり鵜呑みにせず、自分に合った勉強法などを選択して着実に進めることが合格への近道になると思います。
1人でも参考になる人がいれば幸いです。